投資家が「お金」より大切にしていること②
今回のチャプターは、日本をダメにする「清貧の思想」。
アメリカのヒーローの共通点とは?という質問からスタート!
こうした違いが生まれる根本原因は、日本人の誰もが共感を覚える「清貧の思想」。
広辞苑によると、清貧とは「行いが清らかで私欲がなく、そのために貧しく暮らしていること」。ところが残念なことに、この「清貧の思想」は、本来の思想とはかけ離れた解釈で日本人に根づいてしまいました。
「理念に生きるため、あえて豊かな生活を拒否する」という思想が、「豊かになるためには、理念を捨てて汚れなければいけない」という考え方に変わってしまったのです。
それが「お金持ちは何か悪いことをしてお金持ちになったに違いない」といった考え方になったのでしょう。うーん、なるほどなるほど。
清いことはとてもすばらしい。でも、そのために貧しくある必要はないし、ましてや貧しいことそのものは、正義でも何でもないんですね。
私は、そういった「(間違って解釈された)清貧の思想」ではなく、清らかで豊かになることを目指す「清豊の思想」こそ、私たちは考えていかなくてはならない、と思っています。実は、清豊出なければ成功できない。
私は長年、投資家として生きてきたからこそ断言できることがあります。それは、
「清く豊かに生きることは可能であり、また清豊を目指すことが、結果的に長期間にわたって会社を成長させることにつながる」ということ。
会社を起こそうとした時、その人はたったひとりです。ひとりでは会社は運営できないので、同志を募ることになります。海のものとも山のものともつかない会社に、志に賛同した人が次第に集まってきます。こうして集まった社員に一生懸命働いてもらわなくて、会社は成長しません。経営者を信じて、納得して働いてもらわなければなりません。
また、当然ですが、お客さんがいなければ会社は成り立ちません。たくさんのお客さんから会社の商品やサービスが支持されて、はじめて会社は成長します。さらに、金融機関の信用も得なければなりません。
もしここで、多少なりとも「汚」の世界に経営者が足を踏み入れたら、半年や1年は持つかもしれませんが、3年や5年といった長期間、社員全体が経営者を信じていくことは不可能でしょう。
こうした「山」をすべてクリアして、さらに機関投資家などにきちんと説明できて、はじめて株式上場を迎えることができるわけです。
次回に続く〜。お楽しみに!