投資家が「お金」より大切にしていること③
早くも3回目。今回は「人は、ただ生きているだけで価値がある」というチャプター。
「人は、ただ生きているだけで価値がある」ということを考えることは、「経済とは何か?」を考えるこであり、「お金とは何か?」を考えることなのもつながっていきます。
経済とは、一言で言うと何なのでしょうか??
経済とは、人間の生活に必要な商品と金銭との、生産から流通、交換と分配、それに消費などの諸活動のこと。
経済本にはそう書いてありましたが、言葉としてはわかる気がしますが、あまり腹に落ちないという人も多いと思います。
単純化して考えると、お金は政府、企業、家計の三者の間をグルグル回り、経済を形づくっています。
消費活動を行っていない人、この世の中に一人もいません。社会貢献とは、新しい何かをつくりだすことだけではなく、消費することによっても成し遂げられるもの。
話は少し変わって、「誰がブラック企業を生み出すのか」。
日本は現在、構造的なデフレに悩んでいます。例えば、1995年から2012年まで日本企業の株価値上がり率を見ると、ヤマダ電機、ファーストリテイリング、ニトリなどが上位にきます。これは、デフレ対応に成功した会社群です。
このデフレ状況下の日本で今も増え続けているのは、年収300万円以下の層であり、彼らに満足を与える商品やサービスを提供している企業が成長しているのは、当然のことでしょう。
生産者や販売者に売値を下げたい動機はほとんどありません。つまり、従業員に過重労働を強いる「ブラック企業」を生み出しているのは、私たち消費者である、と。
需要があるから供給が生まれるわけで、その逆はありません。
これらの状況から見えてくるのは、「私たちの消費活動は、必ず誰かの生産活動につながっている」という重要な事実です。
つまり、経済は「互恵関係」。私たちは誰かを支え、誰かに支えられているんですね。まわりとの関係で私たちは生かし生かされているのだと認識することが、経済を理解する上で最も重要なことです。
私がみなさんに伝えたいメッセージは、経済とは「共同体のあり方」であり、どのように生きたらみんなが幸せになれるかを考えるのが、経済学の本質だということです。