take0329のブログ

好きこそものの上手なれ

投資家が「お金」より大切にしていること⑤

第5回!いいペース!


さて、会社を「法人という人間」だと捉えてみると、当然そこには真面目な人もいれば、不真面目な人もいることでしょう。今回は「会社が真面目である」とはどういうことか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。なぜなら、会社という存在の価値を考える時に不可欠になってくるからです。


おさらいすると真面目とは、本気であり、真剣であり、誠実であること。そして、「本質とは何か」ということをしっかりと考えること、でした。


私は正直に言って、日本にはすごく不真面目な会社が多いと思っています。それは、例えば会社の株主総会を覗いてみると端的に分かります。


本来、株主総会で話し合わなければいけないのは、「会社はどうあるべきか」「お客さんとどう向き合うべきか」「従業員とどういう関係を築くべきか」ということです。それなのに実際の株主総会では、年間の経常利益や来年度の事業計画の話などに終始して、本質的なことについては何も触れなかったり、触れたとしてもきわめて形式的で、理念など形骸化している会社がほとんどです。これは決して真面目な態度ではありません。


株主総会やメディアのインタビューなどで経営者が発言するのを見聞きして最近私が強く感じているのは、真剣さや誠実さから来る「僕らはどうあるべきか」というメッセージが聞かれなくなってきた、ということです。


私は3年ほど前に、インドのムンバイに行き、インフォシス・テクノロジーズというソフトウェア会社を訪れました。そして、創業者のひとりであるナラヤナ・ムルティ会長とお話しさせていただいたのですが、彼が「私たちの会社の存在は、せかいの格差をなくすことにつながる」ということを堂々と言っていたのをよく覚えています。


「世界の格差をなくすためには、所得の格差をなくさなければならない。そのためには、まず教育の格差をなくさなければいけないんだ。教育の格差はそのまま所得の格差になっているからね。

インドでは、今だにカースト制度が残っているため、貧民層がいっぱいいる。まともな教育を受けられない彼らをなんとかしたいんだよね。さらに、インドだけでなくアフリカの子どもたちにも教育を受けさせてあげたい。それが、私たちインフォシスの使命であり、役割だ」と。


さらに彼は、「教育格差をなくすためには、僕たちネット企業が頑張らなければいけない。世界中に土管を埋めてケーブルを引き、いたるところにサーバーを置く。ものすごい低価格でインターネットを見られるようにする。アフリカで学校を作るよりも、インターネットの学校を作るほうが早いんだ。インターネットを通じて、インド工科大学ハーバード大学の授業を見られるようにできたら、僕らは教育の格差を埋められる。教育水準を変えられるんだ。だから、インフォシスには存在価値があるんだよ」と熱っぽく語ってくれました。


彼はまた、「政府の役割は雇用の創出ではなく、費用を生む起業家にインセンティブを与えることだ」とも言っていましたが、このセリフは「雇用の創出」ばかりを連呼して、起業家をサポートする仕組みを一向に整えようとしない日本の政治家たちに、ぜひ聞かせたいものです。


ちょっと短めだけど、キリがいいから今回はここまで。次に