見えないものを大切にしたい。
組織開発のポイントは「関係性」と「相互作用」。
どちらも目に見えないけど、とても大切なものだ。
最近、組織開発をしていて、スピーディーに見える結果を出してくれという要望が多い。業績や目に見えるチームの変容など。
気持ちは分かる。分かるんだけど、そんな簡単にできたら最初からやってるでしょ。風土や文化はつくるものではなく、自然とにじみ出てくるものだとも思う。
資本主義システムの中で上場企業は株主への説明責任がある。説明するには具体的な数字が必要だ。売上、利益率、納期など。株主から集めているお金が会社を動かすガソリンだとすると、そりゃガソリンがないとどんな立派な車だって動かない。
でも人の幸せは別に会社の規模拡大や給与アップだけじゃない。大切な人と過ごす時間や、人として扱われること、ここにいていいという安心感。色々とある。それを尊重しないでチームや組織なんて脆いだけだ。
今は瀕死の状態のところへ行くケースが多い。それを望んで、好きでやっているから有難いんだけど、少し状態が良くなると次から次へと欲が出てくる。しかも他人任せで。なんとかして下さい、というやつだ。ある程度はできる。でもそれは西洋医療の手術みたいなもんで完治ではない。そもそも、完治なんてないのかもしれない。
ただ、そこからは東洋医学の予防を本当にしていきたいと最近思ってきた。予防は何も起こらないから表に出ない。でも、本当はそれが一番のはずだ。予防もやっぱり目に見えない。本質的なことは目に見えないなかにある気がする。
ファシリテーションもそうだ。細かな気配りや言葉の選び方、出すタイミング、机や椅子の配置、休憩の取り方、問いの投げ方、照明の明るさ、話す時間。参加者には99.9%見えないけど、なるべく場に没入できるよう考えている。これまた見えない。だから、形だけ真似ても絶対に同じ結果は生まれない。
目に見えるものを信じ過ぎないほうがいい、本当に大切なことは目に見えないことが多いんだと思う。にゃーはそれを大切にしてくれている。出会えて幸せだ。大好きだよー。